イスラーム法(シャリ―ア)で免除される者の礼拝

 イスラーム法(シャリ―ア)で免除される者の礼拝

イスラーム法(シャリ―ア)で免除される者の礼拝

シャリ―アで免除される者の定義

シャリ―アで免除される理由:

病気、旅行、恐怖

1.病人の礼拝

病人はその能力に応じて礼拝を行うべきです。もし健康な人のように行う事ができるなら、そのように礼拝し、もしできないのであれば、その能力に 応じて行います。

病人は、立つことが出来れば立って礼拝しなければなりません。立つことが出来ないなら、座って礼拝し、座ることができないのなら、顔をキブラに向けて横になり礼拝をします。横になれない時は、仰向けに寝てその時、可能であれば、両足をキブラに向けます。それも出来ない時は、その状態に合わせて礼拝します。

前述の根拠は、クルアーン

{だから出来る限りアッラーを畏れな さい,}
[騙し合い (アッ・タガーブン)章16節]

とイムラーン・ビン・フサインの伝えるハディース 立って礼拝しなさい。それが出来ないなら、座った状態で、それができないなら、横になって礼拝しない。» (ブハーリーの伝承)

病人の礼拝に関するいくつかの規定

1.病人が座って礼拝を行う時、スジュードが可能であれば、スジュードが義務として課されます。

2.座って礼拝を行う 時、スジュードができない場合は、スジュードとルク―ウについては体で示します。スジュードはルク―ウより低くなります。もし体で示すことが困難な場合は、頭を使って示します。同様に仰向けで礼拝する場合も、頭で示します。

3.病人が礼拝度にウドゥーを行うことが困難な時や、それぞれの礼拝の時間内に礼拝をすることが困難な場合は、ズフルとアスルを纏めたり、 マグリブとイシャ―を纏めて、それぞれ都合の良い最初(の礼拝)か次の(礼拝の)時間に纏めて行うことができます。

4.病人は正気である限り礼拝は免除されません。従って病人は病気を理由に礼拝を怠るべきではありません。礼拝を行うように可能な限りの努力をしなければなりません。

5.もし病人が数日間 意識を無くした後、意識が回復した場合は、その時の能力に応じて、礼拝を行います。意識を無くしていた時の礼拝をやり直す必要はありません。しかし1日か2日間のような短い期間の意識の喪失なら、カダー(取り戻し)の礼拝が容易に出来るときに義務となります。

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2.旅行者の礼拝

旅行者には4ラカアの礼拝(ズフルとアスルとイシャ―)を2ラカアに短縮することが決められています。(またズフルとアスル、そしてマグリブとイシャ―の礼拝を連結することができます。)それは次の一節 {あなたがたが地上を旅する時,もし信仰のない者たちに,害を加えられる恐れのある時は,礼拝を短縮しても罪はない。誠に不信者は,あなたがたの公然の敵である。}
[婦人 (アン・ニサーウ)章:101節]

とアナス・ブン・マーリクの次の言葉によ ります。 «我々はアッラーのみ使いと一緒にマディ-ナからマッカへと出かけました。かれは、マディ―ナに戻るまで我々と2ラカアの礼拝をしていました。» (ナサーイーの伝承)

旅行で意図されるものは?

通常、旅と名付けられるものは全て旅行とみなされ、そこでは礼拝が短縮されます。

礼拝の短縮

1.旅行者にとって礼拝の短縮は住んでいる土地の住居を離れた後に始ま る。そして住んでいる土地にいる間はその短縮は許されません。何故なら、預言者は自身の町から出た後以外は短縮しなかったと伝えられているからです。

2.旅行者がある地域に到着し、そこに4日以上の滞在を望んだ時、短縮せずに完全な礼拝を行うことが義務となります。しかし、4日間以内の滞在を意図する場合は短縮することが許可されます。また定まった滞在期間を決めず業務が完了 したら戻るという目標がある場合は、例え4日より長く滞在したとしても、戻るまでの短縮が許可されます。

3.旅行者は、在住イマームの背後で礼拝する時、例え(イマームによって先導される礼拝の)1ラクアしか一緒に礼拝できなかったとしても、通常の礼拝を行うことが義務です。

4.もし在住者が礼拝を短縮している旅行中のイマームのの後ろで礼拝するなら、イマームの タスリーム(礼拝の最後の挨拶)の後に(短縮することなく)自分の礼拝を最後まで終えることが義務となります。

2つの礼拝を纏める

1.旅行者と病人は、ズフルとアスルをそのどちらかの時間帯に纏め、マグリブとイシャーをそのどちらかの時間帯に纏めて行うことが許されます。2つの礼拝を初めの礼拝の時間帯に纏めて行う事を「ジャムウ タクディ―ム」(先行 させた纏め)と呼び、2番目の礼拝の時間帯に纏める事を「ジャムウ タァヒール」(遅らせた纏め)と呼びます。

2.マスジドで礼拝する者には雨が降って(外出が)困難な理由で礼拝を纏めて行うことが許るされます。しかし女性のように家で礼拝する者は、礼拝を纏めて行うことは認められません。

3.必ずしも礼拝の短縮と纏めを一緒にする必要はありま せん。短縮し纏めて行うこともあれば、短縮せずに纏めて行うこともあります。

バス(乗り物)で旅行する者の礼拝

1.任意の礼拝の場合:

この礼拝は、免除の理由があってもなくても、どのような形で行われても有効です。それは次の伝承によるものです。 «アッラーのみ使いはラクダがどの方角を向いていたとしてもラクダに乗った状態で任意の礼拝を行いました。»
(ブハーリーの伝承)

2.義務の礼拝の場合:

礼拝のために(乗り物から)地面に降りられない、あるいは降りても再び乗ることができない、もしくは敵による命の危機を感じたり、そのようなことがある場合は、その(乗り物に乗ったままの)礼拝は有効です。しかしこれには次のようないくつかのケースがあります。

a)たとえば船の中にいたような場合、キブラに向き、スジュードとルク―ウができる時は、 通常のやり方での礼拝が義務となります。なぜならそのように行うことが可能だからです。

b)キブラに向くことができるが、スジュードとルク―ウができない場合は、タクビール イフラーム(礼拝 の最初のタクビール)の時にキブラに向くことが義務となります。それからは乗り物が向かう方角に従って礼拝し、ルク―ウとスジュードは身振りで行います。

3.サラートル・ハウフ(恐怖または危 険な状態の時の礼拝)

サラートル・ハウフは旅行中でもそれ以外の時でも全ての合法的な戦いにおいて、許可されています。この合法性はクルアーンとスンナに示されています。

1.クルアーンからは、アッラーの次の言葉です。 {あなたがかれら(信者)の中にあって,かれらと礼拝に立つ時は,(まず)かれらの一部をあなたと共に(礼拝に)立たせ、そしてかれらに武器を 持たせなさい。かれらがサジダ(して第1のラクア「礼拝の単位」)を終えたならば,あなたがたの後へ行かせ,それからまだ礼拝しない他の一団に,あなたと共に礼拝(の第2のラクア)をさせ(て礼拝を終わり),かれらに武器を持たせ警戒させなさい。} [婦人 (アン・ニサーウ):102節]

2.スンナについては、アッラーのみ使いがサハーバ(教友)たちと一緒に行った礼拝 と、彼の後にサハーバ(教友)たちが行った礼拝(がその根拠)です。

サラートル・ハウフの特質

恐怖は礼拝のラクア数に影響を与えません。その礼拝が今住んでいる所で行われるのなら、通常通りの完全な形で行います。もし旅行中であれば、短縮で行われます。異なる所は、そのやり方です。そのやり方についていくつかの方法は伝承されていますが、全て許可されています。

ただしこの礼拝を正当化する恐怖は次の 二つの状況のいずれかになります。

第1の状況:敵の攻撃の恐れがあること:

礼拝は、預言者によって伝えられた方法のどの方法でも行う事ができます。最も有名なものはサハル・ブン・アブー・ハスマの伝承によるハディースに述べられています。それは イマームは人々を2つの集団に分割します。一つの集団は護衛として敵に向かわせ、別の集団は初めのラクアをイマームと一緒に礼拝し、 イマームが2回目のラクアを行う為に立つ時、(礼拝をしていた)集団はイマームから離れ自分で礼拝を完了するニーヤ(意思決定)をして離れて礼拝を続けタスリームを行い礼拝を完了します。それから護衛のために敵に対峙しに行きます。代って初めに(防衛していた)1団がやって来てイマームと共に第2のラクアを行います。イマームがタシャッフドのために座ったとき後ろの集団は立って自分たちの礼拝を続けます。その時イマームは、彼らを待っていま す。彼らが座ってタシャッフドをするとイマームは、彼らと一緒にタスリームをして礼拝を終わります。» (ブハーリーの伝承)

このやり方は、旅行中や居住地でのファジュルの礼拝のやり方です。しかし、それ以外の礼拝で居住地やマグリブの礼拝の時は、イマームは最初の集団と2ラクアを行い、その後その集団はイマームから離れるニーヤを行い、残りの礼拝を自分たちで行いタスリームでその礼拝を完了します。それから彼らはそこを去り、第二の集団が代 わりにやって来ます。イマームは、彼らと一緒に残りの礼拝をします。イマームがタシャッフドのために座って礼拝を自分で完了する時、後ろの集団は彼から離れて礼拝をするニーヤをしタシャッフドをするために座るまでイマームは彼らを待ち最後のタスリームを行い、彼らも続いてタスリームをして礼拝が完了します。

第2の状況:恐怖心がより強くなり、礼拝が(クルアーンやハディースで)命じられたように行えない時

この状態では可能な らば、キブラに向かい乗り物に乗ったり、両足で立ったまま礼拝を行います。出来なければ、どの方角でも向かって礼拝します。イブン・ウマルは伝えました。 恐怖心がより強くなった時、キブラを向いたり、違う方向を向いたりして彼らは両足で立ったり、乗り物に乗ったまま礼拝を行いました。»
(ブハーリーの伝承)

その時、彼らは、スジュードとルク―ウは、身振りで示していました。それで歩いている時や、飛行機や戦車の乗っている時には、そ の状況に従って礼拝します。それは戦場や戦闘が激しいなかでの状態だったり本来の形での礼拝を行うことが出来ない時と同じになります。このことは次のアッラーの御言葉によって証明されます。 あなたがたが,恐れある時は徒歩または騎乗のまま
(略式の礼拝をしなさい)。 {あなたがたが,恐れある時は徒歩または騎乗のまま(略式の礼拝をしなさい)。} [雌牛 (アル・バカラ)章:239節]

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飛行機の中での礼拝

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戦艦の中での礼拝

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戦車の中での礼拝

シャリーア(イスラー ム法)の容易さ

シャリーアの最も重要な特徴のの中から慈悲と容易さ、そして困難を取り除くことがあります。これはシャリーアにおける「困難は容易さを引き出す」という全体的な基本となるものです。



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